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Pet column ペットコラム

分離不安について

飼い犬が飼い主が近くから離れて過ごす不安から精神的・肉体的に不調になり、そのストレスが原因で問題行動を起こすことを一般的に『分離不安』または『分離不安障害』と言います。


問題行動の例

・過剰に吠える、くんくんと高い声で鳴く

・ドアや窓などを掘る、ひっかく

・物を噛む、壊す

・トイレを失敗する

・体の一部ををずっと舐める、噛む、掻く

こういった問題行動は人間がストレスを感じる以上に犬自身にもストレスがかかっています。
吠えたり激しい行動をとり心拍数も上がり、緊張状態が続くこともストレスの原因です。

 

分離不安になる原因の例

・仔犬の社会化に適した時期にお散歩や、他の犬または家族以外の人間と触れ合う機会が極端に少なかった
→他に対しての免疫力が低く飼い主への依存が強まる

・日常的な過度のしつけ
→飼い主が少しでも離れると自分だけではどうして良いかわからなくなってしまう

・留守番中に雷や工事の音等、何らかの恐怖を経験した

・飼い主の過度な可愛がり(一緒に家にいるのに常に声をかけどこに行くにもべったり)

・お留守番、一人になる機会が少ない又は子犬のときに長時間留守番したことがある

・保護施設で育ち複数の人に育てられていた

・飼い主さんの出産などで家族が増えた

 

改善策

・愛犬との関わりを見直し、良い関係を築き直す

・家に一緒にいても必要以上にベタベタしない

・ハウスの中でおやつやご飯をあげたりして、ハウスで過ごす時間を増やし、安心できる自分の場所や空間を作ってあげる

・「オスワリ」と指示をしてその後にご褒美をあげたり、飼い主さんの指示に従うと良いことがある、と習慣をつけましょう

・わんちゃんが吠えている時は知らない顔をして、静かにしておる時「お利口さん」と声をかけて落ち着く習慣をつけましょう

・お気に入りのオモチャを用意したり、テレビ・ラジオをつけておく

・外出時は犬に気づかれないように出掛ける30分前~1時間前くらいから、あえて接しないようにする

・ハウスで過ごす時間が増えてきて症状も和らいで来たらお留守番の機会を作る

・少しのことで心配して抱き上げることを避け、犬が何か物音等で驚いた場合も飼い主は特に関心を示さず平常心を保つ

・失敗を強く叱ると関心を引くためにわざとイタズラをするようになる為、留守番中の失敗を叱らないようにする

 

外出時や帰宅時、犬にちょっとしたハプニングが起こったとき、少しのことで飼い主が過剰な反応や心配する態度をとると犬は余計に不安に感じてしまいますので平常心を保つことを心がけましょう。

また、問題行動を叱るだけでは解決に向かうことは難しいです。
犬は愛情深い動物ですが、飼い主さんと依存関係になってしまうと、自立した行動がとれなくなります。

犬の分離不安症は飼い主の過度な愛情が原因になることもあり得ます。
可愛がるだけの存在ではなく、いけないことはいけないと教えてあげることも自立に繋がります。

飼い主と愛犬との信頼関係が問題解決には不可欠です。
飼い主さんと犬の程よい距離を持った関係を築くことが犬を不安にさせない方法とも言えます。
今まで愛犬との距離感や関係性を見直し出来ることから試し、少しずつ改善していきましょう。

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